
お味噌といっても、たくさんの種類がありますね。地域によって原料、色、味に差があります。今回は「色」でみその種類分けをして、ご紹介していきます。
白みそと赤みその違いとは?

色でみそを分けると、「白みそ」「赤みそ」「合わせみそ」の3種類に分けられます。まずは、その違いからご紹介します。
白みそ
熟成期間が数か月と短いので、塩分濃度が低いものが多く、貯蔵性が低くなります。赤みそに比べて、味は麹の糖分により、甘味があるのが特徴です。代表的なものは信州みそや西京みそなどが挙げられます。
赤みそ
1年以上熟成させているので、塩分濃度が高いものが多いので長期保存がききます。そして味は白みそより塩辛く、コクがあるのが特徴です。代表的なものとしては、豆みそ代表の八丁味噌が挙げられます。
合わせみそ
その名のとおり、赤みそと白みそを混ぜ合わせたものや、米や麦などの原料の違うもの同士を混ぜ合わせたみそのことです。
また、色の違いについては製造工程の違いによるものです。赤みそは大豆を蒸して作るのに対して、白みそは大豆を煮て作ります。
赤みそはさらに高温で長時間蒸すために、大豆や麹に含まれるたんぱく質が変性して赤味がかった褐色に変わる(メイラード反応)のです。
全国の味噌のご紹介
日本全国における、代表的な白みそ・赤みそをご紹介します。
白みそ系
・ 信州みそ(米)・・・産地は関東甲信越・北陸で、酸味があり、さっぱりした味。
・ 相白みそ(米)・・・産地は静岡で、甘味と塩気が特徴。
・ 西京みそ(米)・・・産地は京都で、まろやかな甘味が特徴。
・ 府中みそ(米)・・・産地は広島で、まろやかな甘味がある。
・ 長崎みそ(麦)・・・産地は九州地方で、甘味と旨味が調和した味が特徴。
赤みそ系
・ 仙台みそ(米)・・・産地は東北地方。濃厚な旨味と調和している味が特徴。
・ 江戸甘みそ(米)・・・産地は東京で、濃厚な甘味がある。
・ 越後みそ(米)・・・産地は北陸地方、濃厚な旨味と調和している味が特徴。
・ 八丁みそ(豆)・・・産地は東海地方で、濃厚な旨味とわずかな渋みが特徴。
・ 大分みそ(麦)・・・産地は九州地方で、甘味と旨味が調和している味が特徴。
白みそと赤みその使い分けは?

厚生労働省では、1日に必要な塩分量としては、成人男性8.0g未満、成人女性7.0g未満、高血圧の人では6.0g未満とされています。
みそ汁ではおおよそ1杯1.5g程度になります。
それでは、色の違いで塩分量を見てみると・・・
白みそは数日から数か月の短期熟成のため塩分量は5%程度、赤みそは長期熟成のために塩分が10%程度という高めの塩分量になります。白みその約2倍ですね。
白みそはあっさりとした味わいで甘味があるのが特徴で、あっさり味に仕上げたいときや、塩気のある和え物などのお料理におすすめです。
一方の赤みそは、濃厚で味わい深くて香りが強いのが特徴で、味付けが濃いめのお料理におすすめです。
巷では塩分含量を少なくしているみそが流通しています。減塩対策にはみそを使い分ける、または合わせみそで風味を愉しむのもよいですが、この減塩みそを利用されてみるのもよいですね。
最近では、みそ汁を飲まないことは減塩に繋がるということはなく、むしろみそ汁が身体によい影響を与えること、そしてみそ汁の塩分は血圧に影響しないことが第36回日本高血圧学会総会(平成25年10月26日発表)で報告されています。
まとめ
さいごに、みそにまつわることわざを2つご紹介します。
「みその医者殺し」これはみその良質な栄養源を指しています。みそ汁を飲んでいる人には病気は近寄らないので、医者も商売あがったり、という意味を込めています。
そしてもう1つ・・・「女房とみそは古いほど良い」これは、長年連れ添った妻は分け隔てなく親しめることと同じで、みそも寝かしたものほど味がよい、という意味を込めています。
昔から日本人に愛されているみそは、なかなか奥が深いものですね。
古くから親しまれている「味噌」を活用して、健康的な食を習慣化しましょう。
(参考)
「お味噌の便利帳 いつものお味噌で216レシピ!」 監修:料理研究家 川上文代
味噌の専門ページ https://food-drink.pintoru.com/miso/red-and-white-difference/